駐名古屋総領事楊嫻「中日新聞」に署名入り文章を寄稿
2022-10-24 09:00

  10月23日、駐名古屋総領事楊嫻は「中日新聞」に「歴史を礎に友好を」をテーマに署名入り文章を寄稿しました。全文は以下の通りです。

  今年九月、まだ暑さが続く中、私はここ名古屋に中国総領事として着任させていただきました。

  自分にとって、日本は初めてですが、なんだかすごく親近感を覚えました。名古屋の街中を歩いてみると、至る所にみられる漢字、そして中国と似たような生活様式など、一衣帯水の絆を身にしみて感じています。

  中学時代、当時中国で大人気の日本ドラマ「燃えろアタック」にはまっており、中で描かれた日本の風景、そしてアスリートの意地など、深い印象を残しました。また、自分はかつて外交部で貧困脱却事業に携わったことがあります。あのころ、日本人の支援者とともに貧困地域へ見舞に行き、日本人の温かい思いやりと支援活動への情熱などにたいへん感銘を受けました。そして今回、日本の地に着いて、中部地域の皆さまと交流したことにより、中日友好の厚さ、日本民衆の友情と熱心さを身近で実感できました。

  今年は中日国交正常化五十周年の節目にあたります。中日友好の長い歴史をたどってみると、中部地域は輝かしい一章を描きました。五十一年前、名古屋市を舞台にした「ピンポン外交」により、中米国交樹立、中日国交正常化の幕が開かれました。これのみならず、岐阜美濃の留学僧栄叡と鑑真和上の感動的なエピソード、福井県の藤野厳九郎と魯迅の師弟愛、富山県の政治家松村謙三が中日国交正常化のために生涯をささげた偉業、三重県熊野市の徐福の宮で伝えられる徐福伝説、遣唐使の出港地とされる石川県の福浦港で見られる古代中日交流の面影など、数え切られない中日民間友好の逸話が語られており、今もなお紡ぎ続けられています。

  民間の力、一見日常生活の一部というほど、ほんのわずかしか見られないかもしれませんが、その一滴一滴が積み重なれば、きっと中日関係全体を前へと動かす大河になるのではありませんか。ここに来てから、民間友好への使命感と責任感が、より一層強くなってきていると感じています。

  中国領事館は中部地域の皆さまが中国を知り、中日民間交流の懸け橋となる窓口です。これからも、駐名古屋総領事として、先輩たちの築いた基礎をもとに、中部地域における中日友好を、さらなる高みへ推し進めていきたいと思います。

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