外交部,押しつけられた南中国海紛争解決案は受け入れない
2016-07-05 14:40

外交部(外務省)ウェブサイトによると、フィリピンの一方的な申し立てにより設けられた南中国海仲裁裁判所(以下略称「仲裁裁判所」)は6月29日、7月12日に最終裁定を示すと表明した。外交部の洪磊報道官は「仲裁裁判所は本件及び関連事項に対して管轄権がなく、審理を行ない、裁定を示すべきではない」と再び強調した。

一、2013年1月22日、フィリピンは南中国海に関する争いについて一方的に仲裁を申し立てた。中国政府はフィリピンの申し立てた仲裁を受け入れず、これに参加しないと直ちに声明した。その後、中国政府はこの立場を繰り返し重ねて表明した。

2014年12月7日、中国外交部は「フィリピン共和国の提起した南中国海仲裁裁判の管轄権問題に関する中華人民共和国政府の立場文書」を発表し、仲裁裁判の管轄権の問題に対する中国政府の立場を全面的、系統的に明らかにした。すなわち、仲裁裁判所にはフィリピンが一方的に申し立てた南中国海仲裁裁判に対する管轄権がなく、フィリピンが申し立てた仲裁を中国政府が受け入れず、これに参加しないことには十分な国際法上の根拠があるというものだ。

2015年10月29日、仲裁裁判所は管轄権と受理可能性の問題について裁定を示した。中国政府は、裁定は無効で拘束力はないと直ちに声明した。11月24~30日に仲裁裁判所が実体問題について尋問を行なったことを受け、中国政府は受け入れず、参加しない立場を再び明らかにした。

2016年6月8日、中国外交部は「中国とフィリピンの南中国海に関する争いの二国間交渉による解決の堅持に関する中華人民共和国外交部の声明」を発表し、フィリピンの仲裁裁判を受け入れず、これに参加せず、南中国海に関する中比の争いを二国間交渉によって解決する立場を重ねて表明した。

二、フィリピンが一方的に申し立てた南中国海仲裁裁判は国際法に違反する。

第一に、中比は一連の二国間文書及び「南中国海における関係国の行動宣言」によって、南中国海に関する争いを二国間交渉によって解決することですでに合意しており、国連海洋法条約(以下略称「条約」)の定める仲裁手続きは適用されない。

第二に、フィリピンの要請した仲裁事項の本質は南中国海の一部島・礁の領有権問題であり、「条約」の調整範囲に含まれず、「条約」の解釈・適用対象でもない。

第三に、フィリピンの要請した仲裁事項は中比両国の海洋境界画定問題の不可分の一部を構成するが、中国はすでに「条約」第298条の規定に基づき2006年に、海域境界画定などに関する紛争への仲裁など強制的紛争解決手続きの適用を除外する宣言を出している。

第四に、フィリピンはその要請した仲裁事項について中比がいかなる交渉もしていない事実を無視し、概念をすり替え、紛争をでっち上げ、「条約」第283条の紛争解決方法について意見交換する義務を履行していない。

三、仲裁裁判所はフィリピンの不法な行為と訴えに基づき設けられ、当該事項に対して管轄権を有しない。仲裁裁判所は中比がすでに交渉と協議による紛争解決を選択した事実を顧みず、フィリピンの要請した仲裁事項の本質が領有権問題である事実を無視し、「条約」の規定に基づく中国側の除外宣言を回避し、自ら権限を拡大し、越権し、審理を強行し、紛争解決方法を自ら選択する締約国の権利を損ない、「条約」の紛争解決システムの完全性を破壊した。

四、領土問題と海域境界画定の争いにおいて、中国は第三者によるいかなる紛争解決方法も受け入れず、押しつけられるいかなる紛争解決案も受け入れない。中国政府は引き続き国連憲章の確認する国際法と国際関係の基本準則に従い、直接の当事国との歴史的事実の尊重を踏まえた、国際法に基づく、交渉と協議による南中国海に関する争いの解決を堅持し、南中国海の平和と安定を維持する。

「人民網日本語版」2016年6月30日

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