8月23日、駐名古屋総領事楊嫻は「中日新聞」に「鉄道が拓く道、夢をともに築く」をテーマとして、署名入り文章を寄稿しました。全文は以下の通りです。

青蔵鉄道は中国青海省の西寧市とチベット自治区のラサ市を結び、総延長は1956キロ。標高4千メートルを超える区間は960キロに及び、今まで高原鉄道として世界最高・最長の鉄道であり、「鋼鉄の天路」と呼ばれている。
開通前、西寧からラサまでの陸上輸送は半年が必要だったが、開通後は朝の出発で夕方に到着できる。今年は開通20周年を迎え、同鉄道の利用者数は延べ1億400万人、輸送した貨物は8億2400万トンで、沿線地域の経済発展と豊かさの創出に重要な役割を果たし、チベットのGDPは7倍以上、青海省は6倍以上に成長した。
多くの人々の運命もまた、青蔵鉄道によって変えられた。列車運転士のスランワンザはチベットの農牧民の家庭に生まれ、中学校の頃に「青蔵鉄道がラサまで伸びる」と聞いてから「運転士になりたい」という夢の種をまいた。先生から「列車は君の馬より何倍も速い。運転したいなら、しっかり勉強しなさい」と言われた。2003年、16歳のスランワンザは蘭州鉄道機械学校へ進学し、2500キロ余りの距離でバスを3回、列車を2回乗り継ぎ、6日間かけて学校にたどり着いた。07年に卒業後、彼は青蔵鉄道に配属され、14年に初めて列車を運転してチベットに入り、幼い日の夢をかなえた。
20世紀のアメリカ人旅行作家ポール・セロー氏は「崑崙山脈がある限り、鉄道がラサに到達することは永遠にない」と断言した。しかし、数十年にわたり中国の鉄道建設者たちは永久凍土、高寒・低酸素、脆弱(ぜいじゃく)な生態環境という三つの世界的難題を克服し、鉄道史に輝かしい奇跡を刻んだ。青蔵鉄道はチベットと内陸各地の緊密なつながりを結び、各民族の交流・融合する「心の架け橋」となっている。
中国は56の民族からなる統一された多民族国家である。全国では内モンゴル、新疆(しんきょう)、広西、寧夏、チベットという5自治区のほか、他の省でも少数民族が集住する地域に自治州や自治県などを設置している。さまざまな支援策により、少数民族地域では鉄道、電網、病院、学校などのインフラ整備を補充し、特色産業を発展させることで、生活水準が大幅に向上した。12~25年、5自治区のGDPは3兆2500億元から8兆6600億元へと成長した。
経済成長は、失われゆく民族文化遺産に新たな活力をもたらしている。人口わずか約7400人で雲南省内に集住しているトールン族は、その「トールン絨毯(じゅうたん)製作工芸」がかつて山奥に隠された無形文化遺産だった。近年、当地は文化・観光産業を発展させ、100余の「虹の庭」と呼ばれるミニ織物工房を整備し、500余名の女性織り手を育成し、トールン絨毯が海外までも多く販売されている。
こうした成功経験を土台に、中国は各民族が一律に平等である原則を堅持し、法整備を通じて各民族の権利と利益の保障を推進し続けている。7月1日より「民族団結進歩促進法」を施行した。今後、法治のもとで各民族がさらに緊密に団結し、中国式現代化というよりよい未来を共に切り開いていくことになると信じている。













